濾過の基本と濾材の使い方
濾材とは、
物理濾過・生物濾過・化学濾過において、
実際に水の濾過を行う際に、
根幹となる材料です。
物理濾過であればスポンジや網、
生物濾過であれば多孔質素材、
化学濾過であれば活性炭など、
これらを総称して濾材と呼ぶわけです。
ろ過については▽の記事で説明しておりますので、
よろしければご覧ください。
ということで、
今回は濾過の根幹!
濾材についてご説明いたします!
目次
1.濾材の順番
濾過機の記事でもご紹介しましたので、
サラッと解説します。
ろ過には、
物理濾過、生物濾過、化学濾過があり、
それぞれ水を綺麗にする働きがありますが、
濾過方法によって水の何を綺麗にするかが変わってきます。
![ろ過の順番](https://mononon1120.com/wp-content/uploads/2021/02/2021-02-18.png)
基本的には、
STEP1 物理濾過
↓
STEP2 生物濾過
↓
STEP3 化学濾過
この順番で濾材を入れることが多いです。
粗い構造のスポンジや網で大まかなゴミを取り除き、
通過してしまう細かいゴミをバクテリアで分解、
最後に水質を安定させる、という流れです。
この順番はしっかりと理解しておきましょう!
2.物理濾過に必要な濾材
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10415982&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F3321%2F331645-2.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
まず初めにお伝えしますが、
正直物理ろ材は交換頻度がそれなりに高いです。
なので、コスパ重視で選びましょう!
物理濾材の違い
物理濾過に必要な濾材は、
スポンジ・網・ウールマットなどがメジャーです。
▽網
目が一番粗い。
取り逃しが多く、稚魚などの誤吸引がある。
ただし目詰まりはほぼない。
一番安い。
▽スポンジ
目が粗いが、ほぼ誤吸引はない。
目詰まりはそれなりにある。
正規品は多少高い。
特に外部フィルター用のものは、
規格品となるのでさらに高くつく。
▽ウールマット オススメ!
目が細かく、ゴミの取り逃し・誤吸引はほぼない。
その分目詰まりが多く、交換頻度が高い。
まとめ買いがしやすいので安く購入が可能。
上部濾過フィルターでおすすめの物理濾材
交換頻度はそれなりに高いため、
耐久性・値段の観点から、
コストパフォーマンスがいいものを選びましょう。
上部濾過の物理濾材でおすすめは、
「ウールマット」です。
交換頻度は高いですが、
ゴミの取り逃しがなく、
かつまとめ買いで安く済ませられます。
最初からその形に切られた専用品が多いですが、
コスパを考えると、上部フィルターの形には切られていない、
大き目のウールマットをまとめ買いするのがオススメです。
圧倒的コスパなので私もよく購入していますよ!
外部濾過フィルターでおすすめの物理濾材
外部濾過フィルターでおすすめの物理濾材は、
こちらも「ウールマット」です。
水質安定させたいのであれば、
基本的に目の細かいウールマットになります。
ただし、外部濾過フィルターの場合、
大き目の商品だと、
何層も物理濾過層を追加できますので、
スポンジマットとの併用が一番おすすめです!
▽ラウンドスポンジフィルター
▽ラウンドウールマットフィルター
外部フィルターを使用する場合は、
自分で作らないようにしていました。
というのも、少しでもスキマができてしまうと、
そこからゴミが流れてしまうんですよね…
高くはなりますが、
きちんとした規格のある商品を購入したほうがいいです。
オーバーフロー水槽でおすすめの物理濾材
オーバーフロー水槽の場合、
濾過槽の落水する箇所に物理濾材を設置するのですが、
落水時の衝撃で破れが発生する可能性があります。
そのため、少し頑丈な素材を落水箇所に設置しようと思いがちですが、
雨だれ石を穿つというように、
水がずっと落ち続けるという衝撃は、
素材を変えたくらいでなんとかできるようなものではないです。
最善は頻繁に濾材を交換すること。
コレにつきます。
ということで結局、
おすすめは「ウールマット」です笑
▽安定のサンミューズさん
スキマ!
スキマができないようにしてくださいね!
ケチってピッタリサイズとかにしちゃダメですよ!!
余らせて無理やり入れるくらいがベストです!
3.生物濾過に必要な濾材
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10103831&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F429%2F42758-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
はい注目ですー
生物濾過が一番大事だって、
ママがよく言ってました。
ということでついにきました生物濾過。
これがしっかりできていないと、
水槽即崩壊まったなしです!
生物濾材に必要な要素
生物濾材の主役は、
濾材ではなく「バクテリア」です。
つまりバクテリアさまが、
快適にお過ごしいただける、
お家を用意することが、
生物濾過の基本となります!
じゃあバクテアリアが好むお家ってなによって話ですが、
水流のある中にとどまる必要がありますので、
留まれるような穴を用意してあげればいいのです。
それが多孔質素材です。
生物濾材の違い
生物濾材の違いは、
①形
②素材
この2点で違いが存在します。
形の違い
生物濾材は、
形によって得られる効果が違ってきます。
リング型とボール型。
概ねこの2つに分けられます。
▽リング型
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10872270&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F2673%2F267214-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
名前の通り、
輪のような形をしているのが、
リング型濾材です。
濾材に穴が開いており、
ゴミが堆積しづらく、
目詰まりを起こしにくいとう利点があります。
そのため、物理濾材を入れる必要が少なくなり、
結果的に生物濾材を多く投入できます。
▽ボール型
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1efa3005.9cccbfb6.1efa3006.753a92da/?me_id=1226664&item_id=10012503&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fkoiootani%2Fcabinet%2Frokaki%2Fimgrc0085624225.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
名前の通り、
円形の濾材です。
リング型と異なり、
穴は開いておらず
目詰まりは起こしやすいですが、
濾過槽内の体積当たりの濾過領域が増えます。
面積が増えれば、その分バクテリアが繁殖しやすくなり、
結果として濾過能力が高まります。
両者ともに利点がありますので、
どちらを選択するかは、
構成によって変えていきましょう。
たとえば物理濾過体積を多く取れるようであれば、
ゴミの堆積による目詰まりをそこまで気にしなくていいため、
ボール型が選択肢に入ってきます。
濾過槽のあるオーバーフロー水槽や、
大型の外部濾過フィルターがそれにあたりますね。
逆に物理濾過体積をあまりとれない構成の、
上部濾過や外掛け式フィルターに関しては、
目詰まりを引き起こし水流が悪くなるのを防ぐため、
リング型のほうが間違いはないでしょう。
素材の違い
形の違いにより、
濾過にも違いがあることがわかりました。
では素材の違いではどうでしょうか。
基本的にはガラスとセラミックの2種類でわけられます。
▽ガラス素材
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1ee17ca7.5606b5fe.1ee17ca8.e02877dc/?me_id=1227483&item_id=10003605&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Faquapet%2Fcabinet%2Fikou_20100121_007%2Fimg10274100325.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
まずはガラス素材です。
ガラスに穴なんてあいてるの?
と思われますが、
ガラス繊維を複雑に絡めて、
多孔質な素材に仕上げられています!
もちろんガラスなので…割れます。
サクサクいっちゃいます。
濾材は定期的に飼育水で洗う必要があるのですが、
気を付けて洗わなければいけません。
しかしそういった欠点を除くと、
水質に影響を与えることがないので、
とても優秀な濾材です。
ガラス素材の特徴
・水質への影響はない
・濾材が割れやすい
・安価(1kg\1,000ほど)
注意!
ガラス濾材でも、業者が付加価値を持たせようとして、
PHを変化させる物質を含んでいる場合があります。
理解した上で使うのは問題ないですが、
やみくもに使用するのは気を付けてください。
▽セラミック素材
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10876908&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F2343%2F233933-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
つぎにセラミック素材です。
ガラス素材との大きな違いは、
まず割れないこと。
長い年月欠けて劣化すれば割れるかと思いますが、
普通にしてたらまず割れません!
ガシャガシャ洗えちゃいます。
ただし、水質への影響はガラス素材に劣ります。
しかも作り方に起因するため、
一概にどう影響があるかということができません。
ただし大体の予測は可能です。
業務用やPHコントロールと書かれた商品には注意してください。
海水用、水草用など様々なタイプがありますので、
自分の目的にあった濾材を選びましょう。
セラミック素材の特徴
・水質への影響はガラス素材と比べて大きい
・濾材は頑丈なので割れる心配がない
・ガラス素材と比べると高価
注意!
やみくもにPHコントロール素材を選ぶと失敗します。
水草用、生体用、海水用など様々なタイプがありますので、
しっかり選びましょう。
また、PHコントロールできるからといって水替えを怠るのもNG
水質を安定させるには水替えが一番です。
おすすめの生物濾材
おすすめの生物濾材の紹介です。
個人的には目詰まりを起こしにくく、
メンテのしやすさも考慮し、
リング型セラミック素材をおすすめしています。
その中でも、長年アクアリストたちに愛用されてきたのがこれ。
▽太平洋セメント パワーハウス
非常に評価が高い商品ですので、
安心して利用できますね!
また、一応ボール型のオススメもあります。
▽エーハイム サブストラットプロ
安心と信頼のエーハイム。
さすが濾過器で名をはせた会社さんです。
濾材のレベルも高いですね。
4.化学濾過に必要な濾材
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10281748&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F1995%2F199188-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
では3つ目の化学濾過いってみましょう。
化学濾過で有名な素材は、
活性炭、ゼオライト、活性アルミナが有名です。
それぞれ水質維持に悪影響のある物質を、
吸着し、除去することができます。
なので化学濾過は吸着濾過ともいいますね!
活性炭
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10112297&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F651%2F64711-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
化学濾過で一番有名なのが、
この活性炭ではないでしょうか。
水の濁りや、流木のアク、
農薬の除去などといった、
有機物の除去に効果があります!
レイアウトを実施する際、
大型の流木などはアクが抜けきらないこともありますし、
水の濁りなどは美観的にもよろしくないです。
そんなアクアリスト達の頼もしい存在といえますね!
活性炭はこんなときに使おう
・流木のアクがでてきてしまった
・水質は問題ないが濁りが気になる
・水草の残留農薬が気になる
こんなときは注意!
活性炭の吸着濾過能力には限界があります。
最長でも3か月したら交換しましょう。
また、ソイルを使用する場合、
ソイル自体に吸着効果がありますので、
意味がない場合もあります。
ゼオライト
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1f00a2bf.c25ef6a7.1f00a2c0.e5f925df/?me_id=1369552&item_id=10000005&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fapplekankyou%2Fcabinet%2F06503599%2Fimgrc0073167594.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
お次はゼオライト。
かっこいい名前ですね。
効果を端的に言うと、
水を軟水化してくれます。
特に水草水槽はPHの値が大事といわれますが、
軟水にしてやればその分PH値が下げやすくなります!
水草水槽にはとても頼もしいヤツです!
ちなみにゼオライトは活性炭とは違い、
吸着した物質を再放出する性質を持っています。
水草水槽などでは肥料とのバランスをとることができますので、
この効果がプラスになるケースも多いです。
逆に生体水槽の場合、放出した物質(アンモニアなど)が、
悪影響を与える場合もありますので、
生体だけ飼育しているような水槽では不要です。
ゼオライトはこんな時に使おう
・水草水槽の立ち上げ
・PHが高くなってしまったとき
こんなときには使わないで!
・生体のみ飼育する水槽
・海水水槽(塩分に含まれるナトリウムを吸着してしまいます)
活性アルミナ
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1edf1807.59fd7a8d.1edf1808.6e0531e8/?me_id=1211165&item_id=10419925&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F3345%2F334097-1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
活性炭やゼオライトは有名だと思いますが、
活性アルミナは聞き覚えない方も多いのではないでしょうか。
しかしこの活性アルミナ。
オンリーワンな性能を持っています。
それが、
酸の吸着です!
硝酸やリン酸を除去する手段は、
コイツを使うか、水替えしかありません。
まぁこまめに水替えするのが一番なんですけどね。
活性アルミナはこんな時に使おう
・水替えが頻繁にできない場合
・苔対策
注意!
定期的な交換が必要になるので過信は禁物です。
苔対策もコレだけでは厳しいので、
水替えの頻度・ソイルの掃除・生体数を減らすなど、
多角的に対処していきましょう。
おすすめの化学濾材
■活性炭系
みなさんご愛用のブラックホールです。
説明不要レベルですね。
一晩で効果が実感できると思います。
■ゼオライト系
ブラックホールのキョーリンから出ている、
ゼオパックがおすすめです!
■活性アルミナ系
じつは生物濾材であるパワーハウスには、
活性アルミナが原料として使用されています。
生物濾材なのに化学濾材としても使用できちゃいます。
当然吸着効果がなくなったらそこまでですが、
ゼオライトを使用するタイミングで一番は、
水槽の立ち上げですので、
まさに一石二鳥だと思います。
5.まとめ
長々と書いてきましたが、そろそろまとめましょう。
見やすいように今回の記事を表にしてみました。
▽物理濾材の特徴
素材 | 価格 | 目詰まり | 生体への影響 | 掃除頻度 | 交換頻度 |
---|---|---|---|---|---|
網 | 〇 | 〇 | × | 目詰まりしたら | 破れたら |
スポンジ | △ | △ | △ | 2か月 | 半年~ |
ウールマット | 〇 | × | 〇 | 2か月 | 3か月~ |
ポイント
・どの濾過方式でもウールマットはオススメ
・濾過槽が大きい場合は併用も検討しよう
▽生物濾材の特徴
形状 | コスト | 目詰まり | 濾過能力 |
---|---|---|---|
ボール型 | 〇 | △ | 〇 |
リング型 | 〇 | 〇 | △ |
素材 | コスト | 丈夫さ | 水質への影響 |
---|---|---|---|
ガラス素材 | 〇 | × | 〇 |
セラミック素材 | △ | 〇 | △ |
ポイント
・水流を妨げないリング型のセラミック素材がオススメ
・ボール型も悪いわけではないので好みで使い分けよう
・ガラス素材は割れやすいので洗う時注意しよう
▽化学濾材の特徴
素材 | コスト | 交換頻度 | 吸着できる物質 |
---|---|---|---|
活性炭 | 〇 | 2か月 | 有機物 |
ゼオライト | △ | 再利用可能 | アンモニア |
活性アルミナ | △ | 2か月 | 酸 |
ポイント
・入れれば良いというわけではないので、水槽のタイプで使い分けよう
6.さいごに
![](https://mononon1120.com/wp-content/uploads/2021/02/cropped-Mononons-NOTE-logo-3a98e6-2.png)
ここまで読んでくれてありがとうございます!
よかったら参考にしてください!
![にほんブログ村 観賞魚ブログ ネイチャーアクアリウムへ](https://b.blogmura.com/aquarium/natureaquarium/88_31.gif)
にほんブログ村
こんにちは!もののんですー。
今回は「濾材」について説明しますよー!
濾過機は拘ってるけど、濾材はとりあえず付属品を使ってる…
そんなことありませんか?
濾材にも様々な効果や使い方があります。
本記事ではそれらを詳しくご説明していきます!